立春に「新米」が「今年のお米」になる
「新米=未熟」という意味は今でもちゃんと残っていますね。
「あいつは新米だから、この仕事はまかせられねえ。」とか、
新入社員が何か失敗すると、「新米だから、しょうがねえ」とか いうのは、「新米=未熟」→当てにできないとか、頼りにならないという意味で言っているわけです。
では、なぜ今の日本人はそんな未熟を意味する「新米」をおいしい、おいしいと言って食べるのでしょうか? 不思議だと思いませんか?
今市場に流通しているお米には、大きく分けで2種類あるのです。
99%は 化学肥料栽培で、人工乾燥で、玄米で貯蔵しているお米です。
手短に言うと、それらのお米は新米が一番おいしいのです。しかし、熟成しません。そのお米は時間の経過とともに味が少しずつ落ちていって、夏場を過ぎると味がストーンと落ちて「古米」になってしまいます。
もう一つの種類のお米は、有機栽培で、自然乾燥で、籾貯蔵しているお米です。悲しいかな、そういうお米は市場の1%もありません。それらは、ちゃんと熟成します。
そして、戦前までは、立春のころになると、味がまとまってきて、不名誉な「新米」と言う言葉が取り払われて、「今年のお米」となったのです。そのお米はその後も熟成を続けて、一年経つと、私流に言うと、「円熟米」になります。「古米」とは全く違って、それなりに美味しいお米になったのです。人々は「新米」を収穫したのちも「円熟米」を食べ続けて、立春=新春=新年の喜びとして、ちょうどおいしくなった「今年のお米」を食べ始めたのです。人々は、『「今年のお米」はおいしいなあ、やっぱり「今年のお米」のほうがいいなあ。』と言いあって、新年を祝ったのだと思います。
立春とは「今年のお米」を食べ始める、とてもおめでたい日だったのだと思います。
不自然な食べ物がたくさんあるこの時代
見極める目が必要ですね
完全予約制 古民家プライベートサロン
鳥取県湯梨浜町泊941-1
090-6848-0333
0コメント